†Correnda†
強襲
1/3破


「待てキャロル!今日こそは逃さんぞ…!」

警察の制服を着た男が通りをまっすぐに走り抜ける。

「なんでいっつもあたしなのよぉー!!」

眉間に皺を寄せて警官に追い掛けられているのは、小さな女の子だ。
肩までのばした少し癖のある栗色の髪が元気良く揺れている。

この街に来てから、毎日見る光景だった。
最近分かったが、警察のグローはキャロルを捕まえる気がてんでない。
警察としては最低最悪で人でなしだ。
だが、俺たち…とは言っても、俺は別にそんな義理はないんだが

ここに住んでいる法律違反者たちは、好意を抱くとまではいかなくとも、少なくとも誰も彼に嫌悪感を抱いてはいない。

グローはキャロルを未成年で労働をしている違反者として毎日追い掛けているが、捕まえそうになっても避けているのがわかる。

追い掛けているのは…社交辞令…というか、はりぼての義務というか…。



「まてキャロル!!こらぁぁあ!!」


今日もその様子を見ていた。


変わらないと思っていた日常に

或いは陶酔していたのかもしれない


脆く崩れ去った当たり前というものは

なんと…



[]

〇〇● 

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