1/1頁 「生きてる…?」 漆黒の髪を持つ男は、隣に横たわっている純白の少女の頬を撫でた。 「生きてるよ」 少女は薄く目を開けて、頬を撫でる男の手を優しく撫でた。 「よかった」 漆黒のベッドだった。漆黒のシーツにくるまれて、男は安堵した様に微笑んだ。 「ジョゼ、人はね、寝ないと死んでしまうの」 漆黒のシーツに、彼女の純白の長い髪が映える。 「僕にはそれが分からない…。君は、夜の闇に溶けてしまう。僕は一人だ、怖いよ、怖い。」 男が蹲ると、少女は男の背中に手を回して、言った。 「あなたは闇なのに、夜の闇を恐れるのね。私が溶けても、あなたは独りじゃないよ。」 「独りではなくても一人だ。僕を夜の闇に一人にしないでおくれ、ルチス」 少女は、男に軽く口付けをした。 「今夜だけは我慢して、ジョゼ。明日はロドルスを呼ぼう?」 「僕、あいつ嫌いだ。あいつは闇に俺を溶かそうとする。一人の夜よりも怖いよ。」 「うそね、ジョゼ、あなた、一人の夜、泣いているじゃない。」 「泣いてなんか…いない。」 少女は瞳をかたく閉じた。 「寝るの?」 「うん。今日は、もう、眠いよ。」 「…おやすみ、」 少女の返事は無かった。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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