ﾟ｡**━2013年06月11日(火)━**｡ﾟ 【なに。その言葉すき。】 たまに、通ったBarだった。 お金があるときに 高いヒールを履いていくBarだった。 メニュー表など存在しない。 マスターのおすすめを出されるがままに。 「次はこれですね。」 私あんまり決断力ないし、 あの頃 美味しいものとか、美味しい飲み物にあんまり美味しくないじゃん。とケチをつける人間だったから。 その、まぁ堂々とした選び方に胸を震わせた。 いつも、自分に浸っていたい私には すばらしく高貴に思えた。 オレンジ色の照明と ロックグラスで踊る氷、 いつもより深い話。 マスターとはそんなに話した事はなかった。 酔っぱらって覚えていないだけだろうけど。 名前を覚えてるとか 誕生日を覚えてるとか どうして？ばかり。 移転した店舗は 私のアパートのすぐ近くだった。 オープンの日に行った。 私が引きこもってからも 何度かメールをくれる。 それはお店のお知らせ。 でも、その文章は あのお店を思い出される 不思議なメールで 実はいつも楽しみだった。 それは、ついこの前。 新月の夜だった。 「夜空を見上げにおいで」 「真っ暗闇のその先には光しかないんだよ」 なんだろう。 私ってそういう言葉に弱い。 胸がドキドキした。 まだ、私って存在してる？ まだ、私って何かある？ そんな淡い期待が頭を駆け巡る。 行けば変われる？ もしかして、新月からまた 光を取り戻せる？ 色々ごちゃごちゃ考えたけど。。。 私は窓から空を見上げるのが精一杯だった。 謝りのメールをいれると それでもマスターは 「走っておいで」 と。 色んな事が頭を駆け巡る。 なにもない私に光を 腐った心を磨ける場所 結局、私は階段を降りた 自分の足音に震えて行けなかった。 でも、 ほんの何時間か 光を見ようとした。 走っておいで。 今まで、走って行くからって 何度も言ったけど 走っておいで。 って言われたことなかったな。 土から 芽が出るのを眺めているのが好きな私は やっぱり、光をさがしているのかもしれない。 |